小学校の先生、転職する!

小学校で長く働いたけれど、耐え兼ねて転職を決意した先生のブログ

残業って何?

みなさん、残業好きですか?

自分のために使える時間を仕事に費やすことが好きな人は少ないのではないでしょうか?

まあ、残業代つくから、お金になるから良いかな〜

そんな人もいるでしょう

 

では、サービス残業はどうでしょうか?

そんな!お金にならずに、自分の時間を費やすのなんて嫌だ!と思う人が多いのではないでしょうか?

 

今の仕事が好きだから

もっと自分を高めたいから

起業したばかりで業務を回すために頑張りたいから

そうやって、前向きに、自分の意志でサービス残業をしている人もいるでしょう

 

では、教員の残業の実態はどうなっているのでしょうか?

日本教育新聞の2021年12月20日の記事では

www.kyoiku-press.com

となっております

1日の平均2時間54分、月換算にすると96時間44分という調査結果が出たようです

すでに、長時間の残業時間ということがわかりますよね?

しかも、これ残業代が出ないんです…

もう一度言います

これ残業代出ないんです!

なんで?

残業があるのは100歩譲って良しとしましょう

それでも、すべての時間に残業手当をつけられないにしても、ある程度の時間なら残業代出るんじゃないの?

そう思うでしょう?

実は公立の教職員には残業代が1円も支給されません!

いや、表現が正しくありませんね

公立の教職員にはそもそも残業というものが存在しないことになっています!

 

???

残業時間と記事に出ていますよね?

 

そのからくりは、給特法という法律にあります

給特法とは「国立の義務教育諸学校等の教諭等に対する教職調整額の支給等に関する特別措置法」の略称です。

この法律をかいつまんで、かみくだいて解説すると

第3条に

1 月給の4%の教職調整額を支給する

2 時間外勤務手当、休日勤務手当を支給しない

と定めています

予め給与を上乗せするから、残業代支給しないよということです

ん?それってみなし残業ってことじゃないの?

そういう働き方をしている業界や職種ってあるよ?

じゃあ教員は甘えているんだね!

ちょっと、待った!

少し話が違います

先程、言ったことを覚えていますか?

教員に残業は存在しない

ここがみなし残業との違いです

給特法の教職調整額の問題を話していきますね

 

教員の仕事は戦後すぐの時から業務量が多く残業が発生してしまうものだったのです

だから、教職調整額で先に払っておこうという考え方が出てきました

その代わり残業代は出さないよってことです

先程の4%上乗せという数字はこの時代の文部省の調査結果、月の平均残業時間8時間を基にして設定されています

つまり、先程の教育新聞の記事2021年の記事の96時間の残業時間と大きな差があるわけです

みなし残業でも、設定されている時間を超過する場合は、超過分の残業代を支給する決まりですよね?(それを支給してくれないよ!って所はブラック企業です!)

教員の場合それはありえません

教職調整額は上乗せする代わりに、限定4項目(実習の業務・行事の業務・会議の業務・災害などで必要とされる業務)以外の残業の命令を禁じています

しかも、限定4項目も「臨時または緊急にやむを得ない場合」のみです

つまり、教員の業務はもともとが多いから給与を上乗せしておくけど、限定的な場面を除けば残業を命じることはできないよってことです

でも、残業時間96時間を超えてるじゃないか!

ここに恐ろしい解釈が含まれてきます…

管理職も教育委員会も残業を命じていないという立場を取っています

教員が自主的に残業をしている

と主張しているのです

サービス残業です

教員には残業が存在しないという考えの答えは、組織が「個人が勝手にやっていること」という結論づけをしているからなのです

 

じゃあ、教員は個人が勝手に、進んで残業しているのでしょうか?

そんなわけありません

やらねばならない業務を懸命にこなして、迅速に終わらせようとしていてもこれだけの時間がかかっているのです

すべてはこどものため

自分や家族を犠牲にして

 

一般企業のいわゆるブラック企業がそのような態度をとっていることならありえるでしょう(いや、ありえてはいけないのですが…)

これ、公立の、おおやけの組織がやっていることですよ?

そりゃ、国や自治体がやってるんだから、一般企業もやりますよ

 

こんなことでは教員になりたいと思っても、なったら人生棒に振るからあきらめよう

って考える人が増えて当たり前ですよ

実際、教員採用試験の倍率は下降の一途を辿っています

 

これを改善するために給特法に帰りましょう

 

第七条 文部科学大臣は、教育職員の健康及び福祉の確保を図ることにより学校教育の水準の維持向上に資するため、教育職員が正規の勤務時間及びそれ以外の時間において行う業務の量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針(次項において単に「指針」という。)を定めるものとする。
2 文部科学大臣は、指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

 

給特法の悪用されている面を中心に話してきましたが、給特法には教員のことを守るべき決まりも記載されています

今後待遇が改善されて、本当の意味で残業が存在しない状況が生み出されるのを願って止みません